今回の金沢食べ歩きのメインは、「すし処 めくみ」の席を譲って頂いたからである!鮨好きなら知らない人は少ないであろう、日本全国みても超有名店。野々市市にお店を構えて20年弱、ど田舎で変態と称されている職人の鮨を食べに、全国からお客が殺到している。
県外のお客さんが9割、残り1割は地元の方。超ど田舎でも美味しければ遠方からお客が食べに来るという事を証明してくれている。
一昨年行ってきた北九州の話題店「照寿司(戸畑)」は6割が外国人観光客と話し、地元の方はほぼ来ないと話していた。田舎でもビジネスチャンスはいくらでもあり、私は前から言い続けているが都心で家賃が高いところで勝負するのは違うと思っている。
違うは可笑しいかもしれないが、立地が良いからお客さんは来る!と、思い込んでいる方が大半。飲食店バブル真っ只中(新型コロナウイルスによって弾けると思いますけど)、数年先は軒並み閉店するのは目に見えて分かる。田舎で固定費下げて楽しませるか、外国へ出店するかが良いと思う。
話を戻そう。
今回予約枠を譲って頂いたのは仲良しの「ジョヴァンニ(武蔵小山)」立野君。都合が悪くなって行けなくなったから、代わりに行って欲しいと年始に言われ、二つ返事でOK!またと無いチャンスを逃すわけにはいきません!!
と、いう事で金沢食べ歩き最後は名店「すし処 めくみ」さんへ行ってきたので紹介しよう。
予約困難!「すし処 めくみ」へ、初訪問
「天ぷら 小泉」を後にし、初めて兼六園へ行ってみた。普段観光は全くしない私でも、兼六園は一度行った方が良いとオススメしたい。作り物だけど、パワーが漲ってくる気がするのと、久しぶりに自然に触れるのも悪く無い。
一周回って流石に疲れた・・・
朝から近江市場を歩き回り、天ぷら食べ、その後消化の為に街を散策し今に至る。「すし処 めくみ」までも時間があったので別行動で適当に休みましょう!と、私が向かったのは、、、
アパホテルに付いている風呂&サウナ!野町の中心にあり、最上階のお風呂は一般の方でも利用可能。携帯クーポンを提示すると700円で入れるのでお得!!
サウナと水風呂、外気浴を4セットし疲れも吹っ飛び整った。
(友人はヘッドスパへ行くと言っていたのに、外気浴していたら露天風呂入っていて驚いた(笑))
一時間程ゆっくりし、タクシーで向かった。電車でも行けるそうだが、駅から遠いらしい。
一面田んぼの超ど田舎でタクシーを降り、本当にこんな場所に全国から注目される名店があるのか!?と、半信半疑。
間違いなくここだった。18時スタートだが、他のお客さんは居ない。
暖簾も出ていないのでしばし外で待っていうよう。友人曰く、この辺りホンマに家も無かったくらい田舎だったんだよね!今では多少家あるけど、何も無く田んぼ一面だったんよ!!との事。
そんなこんなで電気が点いたので入ってみると、こちらでお待ち下さいと女性店員さんの指示。18時過ぎても他のお客さん来ないけど、どうなっているんだ?
まさかキャンセル!?
入ってから聞いたら、列車が遅延しているそうです。何線なのかは知らないが、県外から来る方は気をつけた方が良いと思う。結局私達料理がスタートし、一時間後に続々とお客さんが来たが、二回転目もあるのでせかせかと食べ飲みしていた。
せっかくの名店なので時間に余裕を持って行動しましょう!!
「すし処 めくみ」を堪能する
10分遅れで席に案内される。数年前までは写真撮影一切NGだったそうだが、常連さんの一言で解禁されたらしい。
ただ、握りの写真だけは勘弁して欲しいと言われた。何故かは分からないが、一般では出回らないようなネタがあるのかもしれない!
蟹のスープ。
濁りは米らしく、米と蟹だけで旨味成分が強い!
能登で獲れた旬の毛蟹。
味噌と身の茹でる温度や時間は変えて、火入れが絶妙。味噌は脂なので温度高めで火入れしていき、身は逆に温度下げる。
一般的には丸々茹でて時間計って取り出すイメージだった。
ハイボールをチェイサーに日本酒を頂きます。友人は緑茶ハイをチェイサーにしています(笑)
平目、めじ鮪、アオリイカ三点盛り。
一見シンプルだが、平目がスゲー甘い!死後硬直を逆算して、美味しくなるタイミングを分かっているのと、船頭は獲れた瞬間神経〆と血抜きをしてくれているらしい。
派手さは無いが、凄さが伝わってくる。
能登の鮑(アワビ)。
軟らかいのは勿論、鮑の持つ香りもしっかり残っている。香りが逃げてしまっているお店が多いのが毎回気になるが、流石としか言いようが無い。
(「鮨きむら(水天宮前)」で食べた鮑も旨かった!)
日本酒が進みます!いつもだけど!!
雌蟹。今後食べられなくなるらしく、レアらしい。
雄は筋肉質で固いが、雌は柔らかく旨味が強い。(雄は戦うからです)
生のくちこを揚げたもの。
一つで20匹分のクチコを使っているらしい。
手間暇掛かり、贅沢過ぎる!
自ずと日本酒が進むように出来ている。後は帰るだけだから、ノープロブレム!!
ここから握りに入っていく。(写真NG)
平目はシャリの温度が高く塩が立っている。
ヤリイカ。
小川の雲丹は海苔の香りも強く、余韻が長い。
茹でたての白子の温度管理も素晴らしいとしか言いようが無い。口に入れた瞬間、個体・液体・気体が一体となり旨味が濃くなってくる。
(ここでの気体はシャリ一粒一粒の空間です)
12キロのめじ鮪大トロ。脂が強いが酸味も程よくあり、好きな鮪だ。
氷見のコシヒカリ。天日干しをしているこだわりの強いヤンキー農家さんが居るそうでそこから取っていると。
驚いたのは酢飯では無く、白ご飯。白ご飯に蟹と蟹味噌、さらに大根おろしを乗せて食べる!大根おろしお代わりあるから言ってねーと、言われ真っ先に手を挙げた。
旨味成分的には美味しいくない訳が無いけど、バランスが難しいと思う。蟹よりご飯と大根おろしが主役になっている気がした。
酢飯のシャリはササニシキ。
トロ手巻き。
富山県産の牡丹海老炙り握り。熱を加えることで海老が持つアミノ酸が強くなる。
焼のど黒を手渡しで頂く!後半ののど黒は正直苦手だが、シャリと乳化するので問題なし!(美味過ぎ)
最後の一杯!!
トロトロの穴子!今後三ヶ月は産卵期終えた後だがら悪くなると。
玉子と干瓢の中巻き。シンプルそうで、これまたバランスが難しんだろうなぁ。
お椀が出て来て、
甘海老のすり流しで作った玉子焼きでご馳走様!後半バタバタだったけど、凄く勉強になった二時間半だった!!
食べ終えて
お会計、46,000円くらい。
久しぶりの4万超えだったけど、妥当。一つのネタへの執着心やシャリも見た目バラバラだな、と思ったが口に入れたら凄いとなった。握りは空気を含ませないとダメだ!と、聞いた事があった。その言葉を証明してくれたのが、「すし処 めくみ」の店主。
睡眠時間を削って毎朝片道100キロ近く離れている市場へ足を運び、自分が納得するネタを仕入れてくる。魚の勉強もし、温度や鮮度、旨味成分の勉強もまでしている。まさに鮨職人ならぬ魚の科学者だと思った。
めちゃくちゃ田舎にあるが、行く価値は十分ある。三ヶ月後の予約しか取っていないので、電話予約出来るので是非!
季節毎に行きたいと思います。
さっ、タクシーに乗って最終の新幹線グランクラスに乗って帰りまーす!
(グランクラスの食事や飲み物、その他感想も投稿します)
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