『この度白金高輪で独立することになりました。』
突然メッセージが来て驚いた。
確かに、いつかは独立したいし、独立する方向でやっています。と、彼から聞いていた。
初めて彼の鮨を頂いたのは3年前弱にさかのぼる。当時、鮨屋のスタンプラリーを頑張っていた時、都内を中心にたくさん食べ歩いた。今思うと恥ずかしいですが、写真映えするお店にも行ったし、ミシュランの星とった人気店も足を運んだ。
その時の経験がつみかさなり、私なりの「鮨屋の価値」を見つけることができたのはよかったのかもしれない。
そして、今回独立することになった鮨「島津」の大将、島津氏の握る鮨が当時から大好き。大きな身体から繰り出される鮨は、手先は器用で柔軟性があり、扇型で綺麗な握り。若いながらも積み重ねてきた経験もしっかり所作に現れ、行くたびの成長がすごく嬉しかった。
この度、独立して間もない「島津」へ行ってきたので紹介します。
祝独立オープン!鮨「島津」へ初訪問
夕日が沈む冬空17時50分。白金高輪駅に久しぶりに降り立ったのだが、出口がよく分からずお店とは逆サイドの地上に出てしまった。
まっ、早めに到着したので時間は全く問題ない。
島津氏とはたまに連絡のやりとりをしているのだが、オープン間も無くして予約困難店の仲間入りを果たしたそうだ。1日2回転、予約は半年程先まで埋まっていおり、新規の人は「omakase」経由でしか取れないそうです。
コースは税サービス料込26,700円。気軽に行ける金額ではないですけど、鮨の価値をしっかり判断できる人であればこのくらいは仕方ないのかな、と思うでしょう。
おまかせコース
お店について驚いたのは、暖簾がでていない。建物は分かるけど、出入口がわからない的な感じです。
ただ、大体の方は「ここかな?」と思われる黒い扉を開けると女将さんが出迎えてくれます。
そして、若いお弟子さんも4名ほどいらっしゃいます。大将の人柄に惚れ込んで、前のお店からついてきた方もいたので、お久しぶりです。挨拶も兼ねて、本日のおまかせコースがスタート。
噴火湾の毛蟹とせりの茶碗蒸し。
まずは、身体を温めて下さいと。
大分県のカワハギを肝醤油で至福の旨味。
カワハギは淡白な魚だけど、肝が一番おいしい。濃厚で芳醇、口いっぱいに祝祭感。
富山県の白エビと鯛の酒盗。
甘味と塩味、血管が広がる相乗効果。
ちびちび頂きながら、ここは日本酒がいいと思う。
コリッコリのつぶ貝。
対馬の紅瞳(べにひとみ)のノドグロ。
一種のブランド魚になり、超高値。素材の脂が柔らかくてきれいな印象。そしてソースの酸味で脂を上手に中和させて、もったりさせない工夫。
美味である。
長崎県の虎フグ白子。
贅沢なリゾット。
あん肝と奈良漬け。
奈良漬はお酒の要素は薄く甘味と苦味、あん肝と一緒に頬張ると、見事なマッチング。
これも、日本酒がいい。
とり貝。
2月ごろにもう出ているの?と、驚いた。旬の春先に比べたら小さく旨みも少ない。
ただ、出始めならではの、質素な味もまた楽しませてくれる。
鮪も同じことがいえるけど、春夏秋冬で味の違いを楽しむのも面白い。
さて、ここから握りです。
鮪は常温に戻すため、早めに切りつけて一同お披露目。
長崎 壱岐 定置 66•4キロ。
冬場に長崎の方であがるのも珍しいなっと感じたのと、壱岐の鮪漁は一本釣りだけと、以前読んだ本に書いてあったのに変わったのかな。
各漁協、創意工夫しておいしい魚をとっていただき感謝ですね。
鰆(さわら)からスタート。
柔らかさギリギリの舌触り。寝かせる時間?それとも、魚体がもつ脂?
口の含んだ後の展開を楽しませてくれる。
春子鯛(かすごだい)。
柚子で爽やかに。
赤身だけ、神津島のものらしいです。
鮪のおいしさは赤身にあり。
ほわっと鼻腔をくすぐる酸味豊かな華やかさに驚く。
そして、粒のたったやや温度高めのシャリで自然と中和され、最後は米が少し残る幸福感。
中トロ。
大トロを軽く漬に。
霜降りのトロもいただく、鮪オールスター。
優勝は、神津島の赤身にあり。
肉厚な小肌(こはだ)。
飾り包丁美しい鰯(いわし)。
赤貝は大きいので、一個を半分に切り分けていただく。
あえて、包丁入れず、そのままの食感を楽しませてくれる。
鰤(ブリ)。
マスノスケ。通称、キングサーモン。
一匹の価格聞いたら、驚きます。
(原チャが買えるとか買えないとか・・・)
雲丹(ウニ)。
穴子(あなご)。
口に入れた瞬間、あっつあつ。上顎やけどしそうになるレベルですが、島津氏は虎視眈々と握ってみせる。
我慢強いだけなのかな。
中落ち手巻き。
最後は、玉子で終了。
そして、追加注文できるということで、もう少し。
明日の状態が一番いいと話していたけど食べてみたいので、しめ鯖。
脂が多く、酢が浸透しにくく大変だったとのこと。
優勝した赤身を鉄火巻きにしてもらいました。
中トロも大トロもあまり好きではないので、全部赤身にして欲しいな、と最近思い始めています。
お鮨屋さんでやってくれるのかな。今度聞いてみよう。
デザート。
お茶が出てきて、ご馳走様。
食べ終えて
改めて、独立オープンおめでとうございます。
素晴らしい空間と絶え間ない努力、細部に至るまでこだわりがはっきりと感じられました。
器のデザインや宇宙ステーションにいるようなトイレも面白かった。
まだまだやりたいことや、挑戦したいことも山積みだと思うし、もっともっとと「焦ってしまう」こともあるかもしれません。が、毎日手間暇かけて15時間くらい働いておいしいお鮨を食べさせてくれるだけ嬉しい。
からだが資本、ストレスもなるべく軽減できる方法も模索しながら今後も発展していってください。
そして、白金高輪にできた鮨「島津」、是非足を運んでみてください。
たまに、omakaseでキャンセルができるそうなので、通知オンにしましょう。
最後に、今後は読者の方々の意見を参考に食べ歩きのお店のリクエストをいただき、行きたいと考えています。行きたいけど、なかなか行けないから、行ってリポートお願いします!なんて、意見がありましたら、是非コメント残していただけたら嬉しいです。
もしくは、「Twitter」をやっているので、メッセージ頂けると幸いです。
>島津氏は虎視眈々と握ってみせる。
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こし-たんたん【虎視眈眈】
強い者が機会をねらって形勢をうかがっているさま。
普通に「淡々と」とかでいいのでは?w
>が、毎日手間暇かけて15時間くらい働いておいしいお鮨を食べさせてくれるだけ嬉しい。
>からだが資本
さり気なく矛盾した酷い事言ってるw