東京三大煮込み・五大煮込みにもランクインしていない、古くから愛され続ける酒場、大門駅すぐの場所にある「秋田屋」である。三大煮込み・五大煮込みとは居酒屋探訪家の太田和彦氏著書『居酒屋大全』に記され、今でも呼び名が受け継がれ、どのお店も商売繁盛で賑わっている。
昔と今では違う、ただ当時はインターネットも無ければ、飲食店情報は自分に脚を使って店に行くか、友人・知人情報を元に食べに行くしかなかった。全店舗気になって行きましたよ、私は。一軒を除いては、どこも個性があって本通りの味を守りつつ新しい挑戦を繰り広げている煮込みも多く出会った。
当時、秋田屋は候補に挙がらなかったのか?オープンして無かったのか??ずっと気になっていた「秋田屋」へようやく訪問する事が出来、噂の煮込み(秋田屋では『にこみ』と記載されている)とお酒を楽しんで来たので紹介しよう。
ずっと気になっていた「秋田屋」へ、初訪問
都道府県が店名になっている名店が多い気がする。数年前に訪れた東十条にある『埼玉屋』と『新潟屋』、新宿の中華料理「岐阜屋」、人形町にあるおっとりした女将さんが一人で切り盛りしている「岩手屋」。
(岩手屋は地元のおじさん達に人気)
県ならではの食材をふんだんに扱っているなら何となく理解出来るが、もつ焼屋だったり中華、普通の居酒屋と何ら関係性が見当たらない。店主の出身地なのかもしれないし、もしくは名前?多方面から憶測してみるが、答えはお店の方に聞かないと分かりっこない。
秋田屋は、聞いていません!
昭和4年創業、酒場放浪記を始め多くのメディアに露出しているので酒好きの間では知らない人は少ないであろう。数年前、某グルメ芸能人がブログで紹介していたことをきっかけに行ってみたい!と、思った。
ただね、調べて写真を見ると「本当に美味しいのか?」と疑問に感じた。焼物は真っ黒な物が多く、一品料理も大衆酒場にありそうなごく普通の料理っぽい。。。
まっ、仲良い友人が美味しいよ!と言ってくれたので安心。一度行こうと決め、早く仕事が終わった平日の夕刻に向かった。
大門駅から徒歩3分くらい、浜松町駅からは5分くらいの場所にお店を構えている。大門交差点にどっしり、古き良き四階建てのビル一棟が秋田屋さん。
一階席は混雑しているのでと、エレベーターで二階に上がるよう指示受けレッツゴー!
さて、色々堪能してみたいと思います。
にこみとたたきが絶品
二階のカウンター席へ案内される。席数減らしているのかな?ソーシャルディタンス?的な感じでテーブル間が広く一定の距離が保たれている。
早速メニューをチェック・・・にこみに一品料理多数、串物、飲み物。にこみは牛なのは珍しく、正直豚より好きなので嬉しい。
料理の内容的には、毎日通っても飽きさせない!年配の人メインターゲット、といった印象をもつ。
首を90度左に振り向くと『たたき』(肉だんご)お一人様一串限りの紙を発見。いわゆるつくねみたいなものだと思う。生粋のつくね好きなので最低二本は食べたいところだが、ルールなので仕方ない。
とりあえず、瓶ビールを頂きグビッと一口で喉を潤す。大瓶が600円はお手頃で嬉しいね!
大阪には勝てないけど(笑)
早速牛にこみも頂く。
ブリブリのモツは柔らかく、甘味があって、臭みは無。塩味でなのに嫌な香りがしないというのは丁寧な下処理と鮮度抜群の物を扱っているからでしょうか。
脂身も多いのでこってりしているけど、汁がサッパリしているから嫌味が無くスイスイ胃袋に入っていく。ビールと牛にこみのフュージョン最強。
そしてお一人様一串のたたき。あっさりした醤油ベースのタレに青海苔の風味、噛むと肉肉しさに加え軟骨のゴリっとした食感のコントラストが現れ、正直に旨い。何本も食べたくなってしまう理由も分かるし、つくねなんだけどハンバーグみたいな親しみ感じる舌触りが良い。
仕込みが大変かもしれないけど、是非一人二串まで可能にしてくだせぇ!
一夜漬。キャベツやキュウリをサッと塩揉みして漬けた自家製もお漬物。つまみにも良いけど、ご飯と一緒に食べても尚美味しいさ倍増でしょう。
げそ焼きが終わってしまったそうなので、身のいか焼きを頂く。大根おろし生姜を乗せ一口、残っている最後のビールをゴクリ、至福の一杯である。
お次はハイボール。どこへいっても大概飲むものは変わりません(笑)
たたき以外は全て二本からなので慎重に部位を選び、好きなかしらをチョイスした。豚の頭肉は脂身も多く、もつ焼屋でアブラと言われ提供されている部位はかしら肉の周りに付いているアブラ。自ずとかしらにもアブラが付き細かく分けると、かしらアブラとアブラで部位を分けるお店がある。
ほとんど同じなんだけどね(笑)
自家製のぬか漬けもお願いし、口内サッパリさせてから、
〆のハイボール!色々食べようか迷ったけど、これくらいがちょうど良いと感じた。
オススメはビールを飲みながらにこみを頂き、たたきを食べてせんべろコースがいいと思う。サクッと食べ飲みするにはうってつけの環境なので是非!!
食べ終えて
賛否両論あるのは間違い無いと思う。上でも話した、年配の方が毎日通っても飽きないような、味付け薄めで家庭的な料理がメイン。塩っぱくて化学調味料に慣れっこになった若者には良さが、まだ分からないと思う。
ガッツリ食べ飲みするというよりは、0次回で軽くお腹に入れる程度が楽しめる。歴史と共にお客と共存して店を作り上げてきた歴史を味わいにいくのが、ストーリー制があり、池波正太郎氏が足を運んでいないのかも気になってしまった。池波氏は酒場へはほぼ行ってなく、家で作れない鮨や鰻、洋食(カツレツ)などが外食のメインだったから興味も示さなかったのかね。
大門・浜松町周辺で飲み会がある際、にこみとたたきで至福の一杯を楽しみたいと思います。ご馳走様。
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