焼鳥一つ取っても店によってスタイルが様々だ。
焼鳥のみで終始勝負しているお店もあれば、一品料理でお酒と合わせてくれるようなお店。どちらも個性があって面白く、どちらが好きとかは無い。
今回行ってきた神保町にある「蘭奢待(らんじゃたい)」というお店は、後者の方に該当するのだけれど、店主のこだわりが物凄く強い!
(こだわりだけでなく、クセも若干強いけど、嫌いでは無い(笑))
『とことん化学調味料をバカにする』
店主の方から話しかけてくれるのですが、飲食店の話になると三言目には「化学調味料の味だからね」
あんなの食べたら喉が渇いてしょうがないですよ。みたいな感じ(笑)
「私、ラーメン二郎が大好きで全国制覇目指しているんですよね!」とは口が滑っても言えなかったです。
しかし、そのこだわりが蘭奢待の料理にとことん感じられ、上品で素材を活かした一品料理から、手間暇かけまくった〆の鶏そばなど何食べても旨かった!
同業者に人気がありそうな料理なので少し上級者向け、もしくは年配の方が楽しめるお店だとは思うけど、オススメしたいので紹介します。
予約必須!化学調味料が大嫌いな店主の料理は全て上品な味だった
数年前にミシュラン一つ星を獲得している蘭奢待。
(当時は焼鳥屋で7店舗しかミシュラン星を獲得してなかったらしい)
当時から絶大な人気を誇っているので、言うまでもなく予約は必須。何度か当日予約でチャンレンジしたのですが、空いていなく5回は振られたかな?
事前予約しなければ入れない事は何度か挑戦して分かった。
鳥しき(目黒)みたいに『超』予約困難店では無いけれど、数週間前からの予約は必須です!
私たちは、2週間前に電話して予約する事が出来ました。
18時オープンなので、予約時間も同時にした。
神保町駅から歩いて行くと、「そろそろ蘭奢待に着くかな〜」と遠くを見ていると、何やら行列があった。
「まさか、全員蘭奢待の客?こんなに多くの人が入れる大型店舗なの?」
これがまた全然違って、蘭奢待の目の前のお店が某有名なラーメン屋。しかも店主が嫌いな化学調味料マックスの二郎系ラーメン(笑)
そこにお店に並んでいる若者達でした。
お店はオープンキッチン!
店主と女将さん、2人で切り盛りなさっています。
テーブル席があったけれど、今は撤去して荷物置きになっていました。
さっ、蘭奢待ライブの始まりだ!!
おまかせコースを堪能
電話の段階で、「当店はおまかせの7,000円コースのみですが宜しいですか?」と。
むむ?昔の方のブログ記事を読んでいたら5,000円弱だったような気がするけど相当値上がったのか?
まー、原材料費の価格高騰や店主のこだわりが詰まっているので問題なし!それなりに値段は嘘をつかないで大丈夫なはず(笑)
生ビール
乾杯は生ビールだ!
ウス張りグラスにきめ細かい泡、メチャクチャ旨い生ビール。
真夏なら一気飲みしてしまうかもしれない。
レバーのブリュレ チーズ&トマト
前菜からこだわりが強い。
小さなフランスパンを弱火の炭の方で焼いて、レバーの上のカラメルを掛けてバーナーで炙って完成。
レバーパテだけでも充分旨さや濃厚な味付けは完成されているような気がするけど、カラメルが加わることによってさらにレバーパテの旨さがハッキリ分かった。
ちょっとしたフレンチを食べている錯覚になってしまう。
日本酒
レバーパテは生ビールで楽しんだけれど、最初からワインにすれば良かった。
店主が焼き物を始めたので、日本酒を注文。女将さんにおまかせでお願いしたら、黒龍が出てきた。
ワイングラスで出してくれるところも、こだわりがある。
胸肉
1本目は胸肉。
強火と弱火の炭を使い分け、芯までじっくり焼いている。皮目はパリッと、中はジューシーな脂が閉じこもっている。
噛めば噛むほど、熱が伝わってくる。
焼きの技術が素晴らしいのは食べれば分かった。
うずら串
続いて出てきた、うずら串も神がかっていた。
うずら=トロトロでなければダメと私は思っている。噛んだ瞬間に、口内が黄身一色染められ、甘みが強い。
噛むのも嫌になり、むしろ飲み込みたくなくしばし目を瞑って滞在してもらいたい。
極上だ。
モモの付け根
串に刺している焼鳥と外したものを使い分けている。
正確には焼いている時は串に刺さっているけど、出すときに外して包丁でカットしてくれています。
モモの付け根は、弾力が強く、鶏の旨味がしまっている部位。山椒の味と塩のバランスも良く上品だ!
たたき
たたき。
中はレアで外は香ばしく、唐墨の味付けと鬼おろしに菜の花。季節を味わえ、上品な作りと味付けにあっぱれ!
焼鳥屋のたたきとは思えないクオリティだ。
グラス 赤ワイン
これは日本酒より、赤ワインの方が良さそうだ。
知人もワインを注文したので、私も乗っかり頂く。
〜余談〜
隣の60代くらいの夫婦は乾杯からオーパスワンのボトルを入れていた。明らかに常連らしい雰囲気だが、とても落ち着いて上品なお客さん。
値段も気にせず、お店のためにボトルを入れ、店主と女将さんも1杯ずつ飲んでいた。
このような大人に自分もなりたいと思った瞬間(笑)
うちモモ
モモの部位が多い(笑)
脂身が多い部位なので、味は一番強く、やっと焼鳥を食べている実感が湧いた。
全体的に小ぶりなので、お腹満足するかな?
鶏のタルタル
おっ、よくSNS見る一品が出てきた。
鶏のタルタルという名らしい。
海苔で包んで一口でパクリ。
鶏のタルタルとちょうちん、ネギと海苔の香り、美味しく無いわけがない!
海苔は、厚みがあって寿司屋で使うものとは全く違く、固くてしっかりしている。焼いて香りも出しているので、パリッと食感はある。
鶏タルタルがもう少しボリュームあると嬉しいかな〜
海苔の味がずっと口内に残った。
正肉と焼き野菜
正肉と紫大根、マッシュルームを炭火でシンプルに焼いた一品。
紫大根は焼いたらこんなにも甘みが増すのか?
マッシュルームに至っては、香りが強くて松茸より好きな味と甘みだった。
砂肝
いつもは食べない砂肝も、蘭奢待で食べると何かが違う。
食感はコリコリしているので、いつも通り好きでも嫌いでもないけど、風味が良く、食べた後の余韻が長い。
ナツメグがかかっているらしく、旨味が長く、口内で余韻を長く楽しめるようになっている。
グラス 赤ワイン
赤ワインを注文すると、高級そうなのが出てきた。
価格は分からないけど、ズッシリした重みがある好みの赤ワイン。
つくね ちょうちん
これが物凄く旨かった。
焼く前に手でこねてつくねにし、じっくり焼き、味付けは塩胡椒と若干ナツメグかカレー系のスパイスを感じた。
贅沢にもちょうちんが2個も入っていて、一口で一つ食べ進められる。
さっぱりした味付けと濃厚なちょうちん、最高の組み合わせだ!
鴨と黒キャベツ
黒キャベツって乾燥野菜みたいにパリパリなんですね。
スナック菓子みたいな?
鴨肉も、上質で高級なものは脂身が全くない。臭みもないし、ヘルシーな肉質です。
鶏そば
〆は鶏そば。
店主のこだわりで、もちろん無化調。無化調で作ると、時間が物凄くかかるので大変らしい。
ツルツルの麺に鶏出汁が前面に出ている、あっさりな味付けなんだけど旨味の余韻が長くコッテリにも感じる。
デカイ器で大盛り食べたくなるくらい、美味しい鶏そばだった!
一応焼鳥屋なので、親子丼もあるか聞いてみたけど、無かったので諦める。
最後にお茶を頂きご馳走様でした。
食べ終えて
この日のお会計、2人で23,000円前後(曖昧ですみません)。
コースが7,000円で、生ビール3杯、日本酒1杯、ワイン4杯飲んでこのくらい。
味は大満足だったけど、個人的にはボリュームが足りなかった。どのくらいの品数が出てくるか分からないけど、胃袋的にそろそろテンション上がってきたところで、
「次〆ですが、準備してよろしいですか?」と。
ボリュームは個人差があるので問題にはならないけど、流石に腹5分目くらいだったの胃袋は不満足。
女性や年配の方にはちょうど良いのかもしれないけど、私たちはこの後餃子とラーメンを食べに行って来ました(笑)
タイミング合えばまた行こうと思います。
蘭奢待の店主と一度飲みに行ってみたいな!と思った1軒目でした〜
コメントを書く