今回北海道食べ歩きのメインは、「鮨一幸」!説明不要の超有名&人気店。
店主の工藤氏と工藤氏のお父さんの二人三脚。とことん鮨を突き詰めた、まさに変態職人と言っても過言では無い。全国各地の漁を回り、漁獲方法を学び自分なりのセオリーが完成されている。
数年前、某TV番組で紹介されているのをYouTubeで見た事がある。当時は札幌では無く田舎にお店を構えていた。ガスボンベマスクをしながら、藁を使って燻して居たのだがやりたい事が変化球過ぎて当時は理解出来なかった方も多かったと思う。
いつかは行ってみたい!
そんな思いが通じたのか、数年後経った日に誘って頂き行く事が出来た。
紹介していこう。
予約困難!札幌の名店「鮨一幸」へ、初訪問
昼二軒食べ歩きしホテルにチャックインした後、サウナと風呂で一汗かいてスッキリした。
地方へ食べ歩きに行くと毎回苦労するのが合間の時間。どうしたらお腹を空かせられるのか毎回悩むのだが、結果時間が解決してくれるので諦めてはいるが、思考は停止させない。
運動したりサウナや風呂に入るか、昼寝もしくはパソコンをするなど。
夜の札幌は東京に比べたら寒いが旭川にと比較すると余裕で過ごせる気温。
以前札幌へ来た時はもっと人が多かった街のイメージだが、日曜日だからか人気が少ない。鬱陶しいキャッチは何人か居るけれど、蹴散らしてお店まで歩く。
着いた。
食通の方々の中では有名なお店だが、果たしてどのような時間が楽しめるのか。究極の鮨、なんて言う方も居るけど、期待して大丈夫なの?期待値の方が勝ってしまう事が多々あるけれど、ここは期待していこうと思う。
では、お邪魔します。
「鮨一幸」を堪能する
この日は貸切会。
幹事は3回ほど通っている鮨屋、「麻布十番 秦野よしき」の大将。月に一度は鮨一幸へ行っていると聞いていたので、席がある時に声掛けて下さい!とお願いしていた。
今年の3月に行く予定だったのだが、急遽キャンセルが出て声を掛けてもらい行く事になった。
(行きたいお店ならフットワーク軽く行くのがモットーです(笑))
苦手な食材の有無を聞かれ料理スタート。
大きな白身を取り出し、切りつける。サイズ的に、九絵だろうと思ったら正解。昆布出汁にひとくぐりさせてから頂く。
ハムのように滑らかな舌触りとほのかに楽しめる甘み。
食べただけで極上なのが分かる。
鮑。何も付けないで食べて欲しいとの指示。柔らかく良い意味で水分が抜け、鮑の旨味が濃縮されている。
肝はチーズみたいにねっとりとしている。
日本海の鰹叩き。
高温の炭で皮目にしっかり火を入れ、切りつける。切付けている音が「カリカリカリ」と、店内に響き渡る。
切っている姿と音だけでお酒が進みそうだ。
白子は味が凄く濃い。昆布出汁とカボスの酸味で白子がさらに引き立っている。
余市の鮟鱇の肝。日本酒に合わせてチビチビ頂きます。
後半の握りが始まる。
肉厚で昆布〆にした、春子鯛からスタート。ワサビのアクセントが強く感じたが、シャリの温度が口の中で自然と溶け込んだ。温かいとか冷たい感覚ではなく、まさに、人肌なんだろう。
細魚(サヨリ)。サイズ的にカンヌキでは無いのか?身がプリっと弾けて弾力がある。淡白な魚なのでシャリの甘味が強くなったと感じる。
鰆(さわら)
三貫目に香りの強い魚を持ってくることが多いと。どれかがズバ抜けててもダメなので、一定のリズムで多少の変化を楽しんでもらい、最後は余韻に浸って欲しい。
(工藤氏は変態だわ)
戸井の本鮪。さっぱりした脂なのでクドさは無い。
津軽海峡の延縄漁。太平洋を一周して、多分延縄でも最後に捕まった母体だと思うと言っていた。最初の方に捕まったものだとここまで綺麗な刺しも無ければ美味しさも出ない。
待て待て、工藤氏はそこまで研究しているのかよ。見て、食べて分かるって凄すぎない?本当かどうかは分からないけど、話聞いているだけど美味しくなり頷いてしまう。
釧路昆布森の雲丹。
喉黒丼を発明したのは工藤氏と言う噂があるが本当なのか?
秦野よしきの大将も乳化してマヨネーズみたいになると同じ事を話していた。後半喉黒出てくるとキツくなるが、このタイプは美味しく食べられる。
鬼鯵。程良い脂と淡白で固めの食感が縞鯵に似ている。何日間か寝かせないと旨味が出なさそうだな。
赤貝は独特な切付け方。布を丸めて赤貝をあてて食べやすく飾り包丁を入れる。
中にはヒモも忍ばせていただくが、めちゃくちゃ旨い。
鰤(ブリ)。
厚切りにして食べるブリも美味しいけどガンッと旨味が来て余韻は短いから、あえて薄切りで楽しませる。口内の熱で少しずつ旨みと香りを感じられる。
ある意味洗脳なのかもしれないが、全てが理に叶っている。全国の漁を回ったからこそ語れる事を多いし、納得させる引き出しが多い。
一つの魚に対してどれだけ失敗して今のセオリーが出来たのか知らないが、勉強になる。
色々なお店の職人さんを見てきたが、工藤氏程オーラがある方は初めてだった。普段から一流の物にしか触れてこないのが垣間見え、一緒に食べ歩きしてみたい(笑)
穴子と玉子が出てきて終了。
と、思いきや皆でトロタクと干瓢巻きを追加してご馳走様!
食べ終えて
お会計、33000円位。
素晴らしい空間と料理を楽しめ、ここでしか味わう事の出来ない体感が出来たので大満足。究極の鮨、何軒か食べ歩いた事がある私には楽しめるお店だったけれど、素人には難しいと思う。純粋に美味しいというよりは、プレゼンテーションや鮨への一途なこだわりが細部まで行き渡り、分かる人には楽しめるお店。
料理を作る職人さんを多く見て来た私でも、工藤氏は凄いと思えた。札幌まで行く価値があるし、日帰りでも来て勉強しに来たいくらいだった。
超予約困難店になっているが、Instagramでキャンセル情報がたまに出ているのと、「OMAKASE」サイトから予約出来るのでチェックしておこう。
次回いつ行けるか分からないが、寒く無い時期にまた来てみたいな。
さて、二軒目行こうかなぁ〜
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