最近流行りの熟成鮨。従来までは魚は新鮮な方が美味しいと言われてきたが、最近はそうでもない。
どこの鮨屋も、魚を寝かして旨味が出し、腐敗した身を削って握りにして出す。そんなお店が増えている。
熟成鮨の架け橋というか、パイオニアと言われているのが二子玉川にある「すし 喜邑 (㐂邑)」。鮨屋の3代目として生まれた大将は、もともと鮨屋になると決めていたそうだ。
むしろ、引かれたレールの上を歩く様になっていたのかもしれない。
独立したのは、33歳の時。純粋のお鮨を楽しんで欲しいとの理由から、銀座ではなく二子玉川を選んだそうだ。当初、お客は全く来なく魚を腐らせては捨てての繰り返し。そんな腐った魚(シマアジ)を腐敗している部位を切って食べたら、感じた事のない旨味があり、そこから研究に励んだ。
(そこからかなりの研究を、いつしか予約が取れないお店になった)
私もいつかは行ってみたいと思っていたが、コネがなくては予約が取れない。そんな時、鮨を一緒に食べ歩いている知人から誘って頂き行く事が出来た!
果たしてどんなお店なのか?
早速紹介しよう。
予約不可!「すし 喜邑 (㐂邑)」へ行きたければ、大将か常連と繋がるしかない
「すし 喜邑 (㐂邑)」、予約不可能とも言われている名店へどうして行けたのか?
鮨を食べ歩いている知人も一度は行きたいと、SNSにアップしたところ、繋がりのある方から『行きますか?』とメッセージが来たらしい。
(飲食業界ではかなり有名な方)
そこまでだったら私までの誘いはないんだけど、『3席取ったので、もう1人誘って下さい』との事。運が良いことに、フットワークの軽い私に声をかけて頂き行く事が出来た!という感じ。
棚からぼた餅的な感じだよ。
一般の方も予約しようと思えば、「OMAKASE」サイトからも取れるそうだけど、1%くらいしか枠がないので狭き門。なんとか常連と繋がって一度行きたい!と声を掛けるのが1番早いと思う。
常連の方々は、店主とSNSで繋がっているので、発信した時にメッセージで予約を取るらしい。多い方で、月1で通っているそうだ。ただ、そういう方は人気になる前から通っているから優先的に予約を回してもらっているらしい。
(人気になる前から通うって、相当選定の目が無いと難しいよな)
「すし 喜邑 (㐂邑)」を堪能する
お伺いした日は、6月5日(昼)。
1日2回転するらしく、昼開ける時は夜1回転。昼開けていないときは、夜2回転のシステム。
電車に乗って「二子玉川」駅に降り立ったのは何年ぶり?
記憶のある限りだと「酉たか(二子玉川)」へ行った以来かな。
駅降りると相変わらず人が多く、人気がある街なんだな〜と思う。
個人的に思っているのは、二子玉川ってそんな魅力的な街?と疑問に感じる。清楚な感じで大人な街、子育てしやすく環境も良い、らしいけど週末になると道路は大渋滞するし、通勤電車のラッシュもヤバイ。飲食店は少なく、魅力的なお店も少ない(笑)
あんまり悪口書くと、怒られちゃうよね。二子玉川の魅力、誰か教えて?
二子玉川駅から歩いて5分強。
それではお邪魔します。
一品料理 〜前半〜
12時丁度に到着すると、既に皆揃っている。
誘って頂いた知人に挨拶し、予約を取って頂いた大御所の方に初めましての挨拶をし料理スタート。
昼だけど、いっちゃうよね(笑)
COEDOと言う名の、麦ジュースで乾杯。昼から飲む、麦ジュース最高!
蛤スープ。
蛤の旨味がスゲー詰まっている。鮨屋行くと、最初に出してくるお店あるけど、今まで飲んできた蛤スープの中では1番濃厚。
最初っから胃袋持ってかれている。
生桜海老を裏ごしした一品。
今まで食べた事のない料理ってどの様に表現したら良いのかわからない(笑)
例えが見つからない。
蛤オイル漬。
蛤に旨味を生かしつつ洋風な仕上がりになっている。ワインが欲しくなる味付け。
雲丹蕎麦。
鮨屋で雲丹蕎麦?と、思うよね。実際に出てきたし、ムチャクチャ美味しからね!蕎麦もそこら辺の蕎麦屋よりコシと香りがあるし、雲丹のクリーミーなツユも旨すぎ。
普通に丼にして一杯掻き込みたいな(笑)
酒飲みをツボを押さえら一品料理なので、お酒は飲まないわけにはいかない。
お任せで日本酒を頂く。
夜予定あるけど大丈夫かな(笑)
メヒカリ。
皮はパリッと、身はふっくら、小さな魚だけど味が深くて濃い。メヒカリってこんなに美味しかったのか。
渡り蟹。
渡り蟹を生の状態で塩辛にしている。渡り蟹を手で持って、一心不乱にしゃぶり付き身を吸うんだけど、味は最高に酒のつまみで旨すぎるんだが、いやらしい音が鳴り響いている(笑)
チュパチュパ的なやつね。
握り 〜後半〜
ここから握りに入っていく。
先ずは海苔とシャリだけ手渡しで出される。
海苔の香りと、熟成鮨の土台のシャリ、どちらも味が強めだ。
渡り蟹で日本酒をがぶ飲みしてしまったので、追加。
銘柄は忘れたけど、昼からに日本酒も旨すぎて酔いが回る。
ガリ。
白イカ。
白イカを薄く開いて細かく切っているから、口内で繊維を全く感じない。シャリと一緒に溶けてしまい、これが一体感というのが実感出来る。
小鯛。
小鯛の中でも型は大きく脂も乗っている。皮は柔らかく、身もしっとりしシャリとめちゃくちゃ相性が良い。
どの位寝かせているか聞くと、全部の魚平均して1ヶ月程寝かせているらしい。
この金目鯛も、今まで食べた事のないネットリした舌触りと濃厚な旨味と香り。一歩間違えたら腐っている感じになるそうだが、これが熟成鮨。
縞海老(シマエビ)。
甘みが強い縞海老も口の中でネットリ濃厚。
鯵は1週間寝かせたもの。
京都の味は脂の旨味が強く、シャリと良く合うと言っていた。確かに、刺身で食べるより握りだな。
みる貝。
みる貝の握りを出すお店も珍しい。
二日間寝かせて臭みを取り覗くそうだ。コリコリした食感が良い。
日本酒が止まらない。
飲んでいるのは、私と知人だけ(笑)。皆お茶で熟成鮨を楽しんでいるが、飲みたくならないんかな?
鮑(アワビ)。
大きな鮑を薄く大きく切った感じで握りにしているスタイルも珍しい。切り方にも工夫して歯応えと程よい食感を残し、握りにしている。
つまみのイメージが強い鮑も、木村氏の手にかかれば握りとしても極上になる!
マスノスケ。
鮭族の中でも高級なマスノスケ。脂が程よく、鮭独特な香りを最大限放しているが、嫌味がない。
鰯(イワシ)。
皮が付いたままの鰯はいつも食べているものと全然違う。これもまた寝かせて、香りが強いからなのか?味が濃いという表現が正解なのか、香りが強いといえば良いのか分からないが、とにかく初めての味で驚くばかり。
この鰹も、やっぱ香りが強い。藁で燻して燻製みたいにして出すお店も多いが、そんなんじゃない。
なんて説明したら良いの?(笑)誰か教えて〜
極め付けは、58日寝かせたカジキマグロ。
見た目ヤバそうだけど、食べるとまた不思議な味。クリームみたいにとろける感じだけど、旨みが凄く強い。
どうやったらこんなに寝かせられるの?他のお店は真似できない事なんだろうな。ただただ感無量。
最後に玉が出てきてご馳走様でした。
凄いとかそう言った次元ではなく、初めてが多過ぎて感動が強い。いやー、他の熟成鮨を看板にしているお店に行かないと比べられないから、近々行ってみる事にしよう。
ご馳走様でした。
食べ終えて
お会計、32,000円。
熟成鮨のパイオニア、とにかく素晴らしい体感が出来て良かった。鮨も一流なら、来ているお客さんも有名(?)な方が居たらしい。よく知らないけど、名前を聞いて調べたら出てきた方や、見たことある人が居るな〜と思ったら、「鮨一條(東日本橋)」の大将だったりと、皆勉強に来ているんでしょう。
凄い感動というか、驚きが強かった。他店の鮨職人の方に当店の話をすると皆リスペクトしていて、どうやってもあそこまでの熟成は出来ないから教えて欲しいと言っていた。まだまだ自分の経験値が低いので、もっと食べ歩いてインプットしないとダメだね。
今回誘っていただいた知人、予約取って頂いた知人(この日あったので知人になった)、感謝しかありません。有難う御座いましたー!!
また、どこか行く際は声掛けてくださーい(笑)