今回の大宮遠征のメインは、「たちのみいしまる」だ。
誘って頂いた友人は、街場進化系の鮨屋「鮨かの(一之江)」の店主、鹿野さん。仕入先が同じらしく、豊洲市場で顔合わせる事が多くなり、一度は行ってみようと誘ってくれた。
『立ち飲み屋』と一言で表しても、ここは高級店らしい。おまかせコース10,000円の立ち飲み屋があるんですが、行きますか?みたいな感じで誘って頂いた。
なかなか強気な値段で勝負している。しかも、大宮という土地では、いくら埼玉県住みたい街ランキング3年連続No. 1だからと言って、高価格帯なので躊躇するだろう。
もちろん私も最初は躊躇したが、最近は地方の方が面白いお店が多く、インプットする為にも行く事にした。
さぁー、どんな料理が出てくるのか?早速紹介しよう。
高級立ち飲み屋「たちのみいしまる」へ、初訪問
鹿野さんとお店の前で待ち合わせする事にした。
多分この辺りなんだとは思うが、お店らしい構えが見つからない。
お世辞にも綺麗とは言えないビル。看板は出ていないが、2階に上がる階段がありお店ぽいのがありそう。
そう、階段上がった2階に「たちのみいしまる」がある。これは全然わからないし、一度行った事がない方でないと、行くような場所ではない。
そして、店内入っても驚いた。コンクリーうちの角内系の立ち飲み屋だ。お世辞にも綺麗とは言えないし、ここで10,000円のコースが楽しめるのか?と、少々不安になってきた。
壁には料理や日本酒メニューがたくさんある。
いかにも、大衆店といった感じの造りをしている。メニューに関してもね。
しかし、よーく見てみると『かんぴょう巻き』『赤貝』など鮨屋にあるようなメニューも多く目立った。鮨居酒屋系のなのかな?
鮨屋の店主が市場で顔を合わせるという事は、魚に力を入れているのだろう。店主に挨拶させて頂き、早速楽しんでいこう!
「たちのみいしまる」で10,000円コースを堪能する
日本酒スタートにした。
「なごみ」でビールとハイボール2杯も飲んでしまったので、炭酸系は不要。
最初っから飛ばしていくぜ!
一品料理 〜前半〜
鞍掛豆。
ゴリゴリした食感と塩気がちょうど良く、豆があまり好きではない私でも美味しく食べられる。
白海老の昆布〆と雲丹。
富山県産の白海老に一手間加え、昆布〆にし香りと甘みを引き立たせる。そこに、紫雲丹でも馬糞雲丹でもない、赤雲丹!
赤雲丹といえば、九州のお店でしか食べられないお店が多いが、ここでも食べられるとは。甘みが強く、口の中でトロけるのが特徴。白海老と雲丹の甘み、ダブルで口内ヤバイ事になっている。
シャコとホタルイカ。
今日のシャコは美味しいですよ、と店主自慢げな顔して出してくれた。
食べてみると、中がレアになっている!
ウワッ、某有名な鮨屋がやっていたけど、食べるのは初めて。レアという事は生になっていて、食べるとシャコらしさはなく、超新鮮な海老を食べているような感じになる。
70度で火入れして10分、さらに沸騰させ、サッと茹でるのがポイントらしい。詳しくは分からないが、オスとメスでも味が違うらしい。
つぶ貝、牡丹海老(ボタンエビ)、チャイロマルハタ。
食感が楽しめるつぶ貝、トゥルンっとなめらかで甘みが強い牡丹海老、そして初めてのチャイロマルハタは脂がノリノリ。異なった魚なのは当然だが、特徴がそれぞれ違って、食べていて面白い。
あっ、ちなみに日本酒もガブガブ飲んでいるよ。これだけ新鮮で美味しい魚を食べていると、ガブガブ進んじゃうけどね(笑)
ナガスクジラ。
ナガスクジラの赤身部位は、こんなに甘みが強いの?と、驚いた。
本鮪よりも酸味が少なく、赤身の旨味が物凄く強い。さらには、甘みがあり薬味のネギも良いアクセント。
茄子揚げだし。
ここでさっぱりとして一品料理。
マスノスケ。
『マスノスケ』知ってるかな?別名、キングサーモンともいうんだけど、サケ族の中で1番冷水が好みなので、脂がかなり乗っている。
市場でも多く出回っているそうだが、かなり値が張るそうで、手が出せないお店も多いとか。
マスノスケを寝かして西京焼きにしている。いやー、普通に旨いの一言。
お椀。
コチの出汁でとった汁は、綺麗なお吸い物。魚介出汁は香りでしっかり楽しめ、塩気もちょうど良い。
胃袋が一度リセットされた。
握り 〜後半戦〜
ガリ。
ん?待てよ,鮨が出て来るの??
そう、「たちのみいしまる」の店主は鮨も握れるんです!
しかも、修行経験は全くなく、YouTubeで見て独学で勉強。ホリエモンが言う、鮨屋に修行は要らないという事を証明してくれています。
ヒラスズキ。
最初は淡白な白身から攻めてくる、王道スタイル。
酢は、赤酢と米酢のブレンド。前もって炊き、酢と合わせているが人肌を保っている。
クエ。
脂が乗りすぎているから、少し炙って塩で出してくれた。
ほぉ〜、白身でも味のインパクトが強いので、赤酢の効いたシャリと抜群に合う!
金目鯛。
2キロの金目鯛は、脂が少なめだけど、このくらいなら鮨として食べた方が旨いと言っていた。こだわりがしっかりあり、素晴らしい。
本鮪漬け。
流石に鮪は上級品は仕入れられないそうだ。
場所的な問題もあるが、まだお客さんが来る日とそうでない日の差が激しいと。
小肌。
肉厚だけど、脂が少ない小肌は酸味をしっかり効かせている。
鯵。
どんちっちの鯵は、脂がスゲーわ。最近鮨屋で人気があるのも納得できる旨味。
赤貝。
サクッと歯切れが良い。赤貝は、どちらかというとヒモの方が好み。
雲丹丼。
先ほどの赤雲丹とは違い、馬糞雲丹の小丼が出てきた。
10,000円コースで、ここまで高級食材が出てきて大丈夫なのか?
車海老。
しまいには、立派な車海老。このサイズだと、養殖だったとしても相当な金額だ。
味噌もしっかり入っている。
鮨かの店主に、「鹿野さんのお店より仕入れ頑張ってますね!」と、つい一言でてしまったくらい(笑)
贅沢を言えば、茹で置きしているのは残念だが、極上の食材だ!
煮蛤(ニハマグリ)。
素材を大事にする為、火入れを緩く、柔らかく仕上げている。シャリとの一体感が素晴らしい。
玉子焼き。
玉子焼きが出てきたという事は、コースが終了。
鮨屋経験が無くても、ここまで出来るのは素晴らしい。追加御座いますか?
かなり飲んでいるので、追加どころか皆でワイワイ話しが盛り上がっていると、
干瓢巻き、かっぱ巻きを出してくれた。
姫キュウリのかっぱ巻きはやっぱ綺麗だな。
いやー、このクオリティで料理10,000円は、立ち飲み屋でもあり得ないと思う!大満足!!
頂いた日本酒の数々
これだけ飲みました(笑)
私は酔っていたけど、なんとか帰れるレベル。鹿野さんは、ベロベロになっていてヘラヘラしながら千鳥足。
料理もそうだけど、日本酒にも力を入れていて大満足だった〜
ご馳走様でした!!
食べ終えて
やっぱ地方が熱いというのは本当だね。
家賃の負担が少ない分、食材にコストかけられる。食べる側としては、ある程度アクセスが不便でも小旅行気分で行けたりするので充実した晩御飯が楽しめる。
高崎線で帰ったんだけど、鹿野さんと缶ビール買ってボックス席で乾杯しながら帰った。途中で別れて、帰ったと思い鹿野さんに連絡すると寝過ごしたのか分からないが、新宿まで行き、その後本八幡にも行ってしまったらしい。
次の日、奥さんに「しっかり送って行ってよ(笑)」と怒られた。
大宮周辺に住んでいる方、是非「たちのみいしまる」行ってみてね〜
リーズナブルなコースもあるし、アラカルトでも楽しめるの良いと思う。