3年前まで人形町に住んでいた。日本橋に憧れた学生時代、いつかは日本橋に住んでやる、と熱い想いを胸に夢が叶った2019年夏の事。日本橋といえど、日本橋をいう地名が付くエリアは広い。茅場町、小網町、本町、浜町、日本橋駅から徒歩30分エリアでも ”日本橋” の地名が使われる。
まっ、住んでみたらなんて事ない。都内の食べ歩きを効率よく回れるようになったくらいで、後は特段メリットは無い。むしろ家は狭くなって(それまで横浜市内に住んでいたので)、賃料も駐車場代も上がり固定費はふえた。月極駐車場の金額は、地方でワンルームマンションのお部屋が借りられるくらい高い。不動産バブルは今もなお上昇中なので、これからも上がる一方なのは間違いない。
余談はこの辺にしておきます。今回紹介するお店は、日比谷線人形町駅のお隣、小伝馬町が最寄駅の「熾どり(シドリ)」。人形町に住んでいるときに知りたかった、当日予約で行けるセンス良き焼鳥屋です。
昨今の予約困難店やコースだけで諭吉1枚飛ぶようなお店とは打って変わり、アラカルトで気軽に楽しめる優良店。近所にあれば必ず通う同店、友人とことん楽しんできたので紹介しよう。
予約しておくのがマスト
不動産会社社長F氏と久しぶりに夜ご飯の約束をした。お店は決めず、とりあえず妻も子どもも、妻の実家に帰省中だから空けておいて程度のやり取り。
了解、の返事をもらって、当日焼鳥食べたいから、同店を指定。『予約はしておきますね』と、電話予約して訪問。
あいにくカウンター席は満席と伝えられ、2階席ならご案内可能との事。焼鳥も鮨も和食も中華も、基本カウンター席で楽しみたい派なので、迷いに迷いって2階席で了承した。
しかし、お店に到着して入ると、ちょうど前のお客さんが帰りカウンター2席案内可能。ありがとうございます。
(メニューの写真は食べている途中で撮影しました。)
焼物は250円〜390円。楽しめる部位も多く、何よりお手頃価格で嬉しい。
一品料理と〆の食事。
焼酎ボトルがあるのも嬉しい。
ビール好きはタイムサービスを狙うべし。
お得なコースもあるから、自分の胃袋や懐事情で調整することも可能。
ちなみに筆者は焼物をとことん堪能したいから、焼物だけ10本お任せでお願いして、足りなければ追加する予定。若い男性スタッフさん達(皆さんイケメンで接客上手)に好き嫌いを伝えて、コースにしてもらうのもありかも。
今月のおすすめもチェックしつつ、ひさしぶりの焼き鳥を堪能します。
焼鳥を堪能
お通しは大根おろしと鶏皮煮込み(?)。
焼酎ボトルは、こちらの銘柄。個人的には、キンミヤと炭酸と氷とカットレモン、シンプルな組み合わせで焼酎を楽しみたい派。麦や芋焼酎、香がよくて好きなものもあるんだけど、飲み続けると飽きてしまう。
(個人的な意見です)
1本目はレバー。
サラッとしたたれ味に艶やかなビジュアル。臭みは皆無、炭火の香も適度に楽しめる。
かしわ。
価格相応な分、ボリュームはイマイチである。ただ、丁寧な串打ちと焼きによって、銘柄鶏を連想させてくれる完成度。遠火と近火の使い分けが職人芸だ。
せせり。
鶏肉で大好きな部位、そう、それがせせりだ。首肉に旨味がつまり、首皮も絶妙な旨さなのは焼き鳥好きにしか分からない。
ぼんじりは、お尻の脂っこい部位。学生時代、つまり10年以上前はチープな居酒屋でよく食べていた。歳を重ね、いつの日か積極的に食すことは無くなったのだが、余計な脂を抜ききって焼いたぼんじりを口に頬張り焼酎炭酸割で流し込む爽快感もイケてる。
つくねは老若男女愛されるメニューではなかろうか。もも肉(胸肉も)をミンチして手ゴネする手間暇を考えると、とても安価に人を幸せにしてくれるメニューだ。
ねぎま、こちらは胸肉の部位を使用。胸肉といえば、トレーニーにとって欠かせない食材の一つであり、調理の難しさを理解している。同店のこれは、炭火で焼いているのに、しっとり柔らかい、ネギとの一体感も見事であり筋トレ後に10本食べてタンパク質を吸収したい。
ししとう。
ハツ。
ボリューム満点、手羽先。
熱々なうえ、骨を指先で抑えながら食べる苦労もつきもの。食べ終えて、抑えていた指先についた塩と鶏の脂を舐めるのも手羽先を最後まで楽しむ醍醐味。
アスパラ。
フレッシュな野菜は焼くか天ぷらにするか、どちらにしてもポテンシャルが上がる。
ここから追加で、つなぎ。
希少部位のひとつであり、ハツ(心臓)とレバー(肝臓)を繋いでいる部位なので、ツナギとも言うし、ハツ元とも書く。せせり同様、大好きな部位なので置いてあるお店では必ずいただきます。
トロトロうずら串。
タレなのがまた最高。半熟の黄身とタレの甘味と白身のタンパクが口内で一体になった時の幸福感、言葉では表せない旨みがあらわれます。
次回は2本食べる。
鶏皮。
外はカリカリ中はフニャブヨ、息子は好きなので食べさせてあげたい。
ピーマン肉詰め。椎茸肉詰めよりピーマン派なのは、なんとなく親しみが強いからなのか、それとも母親がピーマン肉詰めを作ってくれる事が多かったからなのか、多分後者だろう。
手間がかかる上に、串に刺して焼く技術も大変。焦げないように、中のお肉まで火を通して、んーめちゃくちゃ美味い。しかも,290円って・・・有難い。
食べ終えて
焼酎ボトルも飲み終え、筆者達の食べ飲みっぷりも良かったのか、お店の方が『以前も来られましたよね?』と、誰かと間違えた。『いえいえ、初めてです』と答え、少し会話も楽しみご馳走様です。
2人で13,000円弱、胃袋も懐も大満足。また来れたら来たいね。頻繁に夜遊びできないから、先にはなると思うけど、必ず再訪問します。
小伝馬町(人形町)周辺で気軽にウマい焼き鳥を求めている人は、是非「熾どり(シドリ)」へ足を運んで下さい。至って普通な感じが最高です。