最近流行りの『町中華』のフレーズが世間では飛び交っている。地域に根付き、お店の方とお客さんの距離も近く常連さんが来たら『いらっしゃい』では無く、『お帰りなさい』と言ってくれるようなお店も多くある。何も言わずに瓶ビールが出て、店主は餃子を焼き始め、今日は何を食べる?と、いつものルーティーンの如く時が流れる。
私の地元には町中華があったのかもしれないが、名店と呼ばれたり父親・母親が通っている光景を見た事がない。今回紹介する「菜来軒(さいらいけん)」は女将さんとお孫さん(推定中学卒業したばかり)の二人三脚で切り盛りしている。
昔は店主とやっていたのか詳しい事は分からないが、70歳超えた女将さんとお孫さんがやっている、そのワンフレーズだけでも興味が湧いて来た。しかもアクセスは決して良好とは言い難い場所にあり、錦糸町駅・両国駅・本所吾妻橋駅、全て15分近く歩かないと行けないような場所にある。
気になってしまった私は相方の運転で行く事にした。独特な雰囲気と愛情こもった料理の数々、至福のひと時だったので紹介しよう。
「菜来軒」へ、初訪問
仕事が19時頃終わったとある平日の夜。家で晩酌でもしながらツマミを作ろうか考えたけど、無性にレバニラが食べたくなってしまった。そして、キンキンに冷えた瓶ビールと餃子の最強組み合わせも欲して来てた。
近所に行けるところ無いかな?と、通常なら「来来軒(水天宮前)」を選択するところ、せっかくなら新規開拓したいし気になるお店があった。それが「菜来軒」だった。
新型コロナウイルスの影響で営業しているお店とテイクアウト専門でやっているとこもあるので、電話してみると営業しているとの事で向かった。一応席は取って置いてくれると話していたが、本当に大丈夫か不安だった。
車で何度も通っている場所にあって驚いた。暖簾が出ていても全く気がつかなかったのは生い茂った木に隠れていたせいだろうか?しかし、「菜来軒」は昼11時〜深夜0時までの通し営業らしい。常に暖簾が出ているので気が付かないはずが無いのだが、恥ずかしながら分からなかった・・・
(通り営業となっているけど、夕方は休憩しているそうで休憩時間に行くと料金が高くなると張り紙があったので気をつけましょう。女将さんの身体もしっかりと労ってください)
店内入ると、小柄な女将さんとヤンキー上がりの男前青年がお出迎えしてくれる。『先程電話した○○です』と、伝えるとカウンター席空いていたので座る。
(平日の20時過ぎで満席なので、行く前電話した方がいいと思う)
早速メニューをチェックする。麺、おつまみ、定食に揚げ物、町中華の名に相応しい料理が取り揃えられている。大体、同じ料理しか注文しない私なので、いつも通り楽しんでいこうと思う。
(看板商品がある場合は注文します)
「菜来軒」を堪能する
乾杯は飲みたかった瓶ビール。1日の疲れを癒してくれる最高の飲み物!
席に着いた瞬間に、瓶ビールと餃子下さい!と、伝えたのでいいタイミングで焼があった。
メイラード反応を起こした皮目の香ばしさに加え、野菜と肉の甘みの相乗効果を楽しめる餡。家庭的な味なんだが、食べているとどこか違う美味しさが確かにあった。
自家製・手作りは勿論、何個食べても飽きがこない素晴らしい餃子。
メンマチャーシューも気になり注文してみた。
写真の通り自家製チャーシューにメンマときゅうりをごま油で和えたもの。チャーシューとメンマの塩気だけで十分ビールのアテになる。シンプルに見えるが、食べ始めると箸が止まらなくなる旨さだ!
(ハーフサイズもあるそうです)
瓶ビールも無くなり、芋焼酎ソーダ割りを注文した。ヤンキー上がりであろう好青年はテキパキと仕事をこなし、女将さんの負担を軽減している。
好青年が作っても良いと許されている料理もあるらしく、何かは分からないが次回注文してみたいと思う。
ニラレバ炒め!
大きな豚レバーを小麦粉付けて多めの油に投入しカリッと揚げてから炒める。大きな中華鍋を小柄な女将さんが一生懸命振っているいる姿が魅惑的。料理の味は勿論美味しいが、雰囲気で更に旨味が増している気もする。
お客さんも落ち着いた方々ばかりでお店の事を熟知している感じも良く、騒がしい連中は一人も居ない。ひとえに地元に密着して来た長い歴史が物語っていると感じる。
最後は五目チャーハンを食べてみた。
玉子、チャーシュー、かまぼこ、炒めては無い五目チャーハンスタイルもまた乙である。塩胡椒強めでまったりした油で米をコーティングし、食べこたえ十分。
終盤だったので私は二口くらい頂き、後は相方が完食しご馳走様。
食べ終えて
夜は飲んでいる方が多く、皆のんびりしていたので回転は良く無いと思う。私たちが帰る時も、外で二組ほど待っていたので、必ず電話して予約した方が間違いない!
わざわざ遠方から来る方なら尚更だ。電車乗り継いで歩いて向かったは良いけれど、入れないなんて最悪だからね(笑)
料理が旨いのは勿論だが女将さんとお孫さん、素晴らしい二人三脚が楽しる空間の方が魅力的。行けば納得の共演を是非堪能しに行ってください!
(日曜日も営業しているので、夜ご飯難民になったら行きたいと思う)