大田区蒲田に数年前から行ってみたかった寿司屋がある。
食通の方なら知らない人は居ないであろう、超人気店「初音鮨」。メディアでも度々紹介され先日はテレビで特集されていたらしい。
さらには本も出しているそうで、売り上げが好調だとか!?(笑)
一時期、初音鮨の女将さんの体調が悪くお店を閉めていたが、この度復活し新生初音鮨へ知人から誘って頂き行く事が出来た!
予約方法や価格、さらにはネットに書かれている『ぼったくり』は真実なのか?紹介していきたいと思う。
「新生初音鮨」の予約方法・価格・注意事項
どこから説明しよう。
予約方法、価格、注意事項の数々の順で紹介しようかな。
予約方法
新生初音鮨になる前までは、予約が1年待ちが当たり前だった。そして、一見の予約はかなり困難。
今は電話やホームページからも予約が可能だが、2ヶ月先までしか受け付けていないそうだ。なので、皆平等にチャンスが回ってくるという事。
上でも少し書いたけれど、私は知人が予約を取って行けなくなったので、どう?みたいな感じで予約を譲ってもらった。
平日の15時スタートだったので、仕事の問題もあり少し保留にしていたが、都合が付いたので行く事にした。
価格
今年は鮨をメインに食べ歩きをしているつもりだけど、流石に限界がある。
食べに行ける時間もそうだけど、価格の問題だ。
皆麻痺ってるかもしれないけど、価格が30,000円前後する寿司屋が当たり前になってきている。有名店を筆頭に、原材料の高騰などで致し方ない部分もあるけれど、昔はファストフード的な感じだった鮨が、今ではセレブの食べ物に変わった。
初音鮨の価格を知らされた時、かなり驚いた。
45,000円(税抜)だって(笑)
20,000円〜30,000円スタートのお店は何軒か行った事あるけど、ここまでぶっ飛んだ価格には正直驚いた。
しかも、飲み物は別だからね。いつも通りアルコール飲んだら60,000円弱は覚悟した方が良さそうだな(涙)
48,600円は事前に振り込み、当日の飲み物代は現金で支払うシステム。クレジットカードは使用出来ないし、振り込みが確認できないとキャンセル扱いになってしまうので気をつけて下さい。
注意事項
知人から注意事項がありますと、送られて来た。
そのまま引用します。
『★来店直前の喫煙(iQOS含む)、食中後の途中退席しての喫煙(トイレ内でのiQOS含む)、は、固くお断り致します。
★また、写真は料理と従業員のみとさせていただけますと幸いです。
お客様が写り込まないよう、ご、配慮をよろしくお願い致します。
★お飲み物、その他の持ち込みはご遠慮下さい。当店では、鮨とのマリアージュを確認済の飲み物だけ取り扱っています。
以上、御同伴の皆様にも、コピペなどで周知をお願い致します。
★私たちと皆様との時間が、この上なく素晴らしいひと時となりますように。お目にかかれる日を、心よりお待ち申し上げております。』
予約したら注意事項が送られてくるので、一読してから行きましょう。
新生初音鮨をとことん堪能
久しぶりに京急蒲田駅に降り立った。
いつぶりだろうか?
東京に引っ越してから一度は行ったかな?
蒲田が最寄駅なんだけど、京急蒲田とJR蒲田駅は歩いて10分くらい離れていて不便だ。
しかも、「初音鮨」はJR寄りなので、京急から歩いて20分位かかった。
15時スタートの席で、着いたのは14時55分。
知人は既に到着していて、外で待っていてくれた。他にも、初音鮨を食べに来たであろうお客が数人外で待っていた。
創業125年の歴史ある寿司屋。昔は街場系の寿司屋スタイルで営業していたらしく、現店主が高級スタイルに変え、ミシュラン二つ星を10年連続獲得している。
期待が高まるぜ!
早速入店。
改装前の内装を私は知らないけど、知人は知っていた。
相当内装変わったらしく、高級感ある雰囲気になっていると。確かにこだわりがハッキリ出ているし、外観からは想像出来ない内装になっている。
既にセッティングされている。
上でも話したけど、改装前は店主と女将さんの2人で切り盛りしていたそうだけど、スタッフが多い。
スーツを着た接客担当の男女1名ずつ、職人が数名に店主と女将さん。かなり賑やかになっているし、8人のプレミアム席をこれだけのスタッフでおもてなししてくれるのは嬉しい限りだ。
(職人さんの中には、川口の有名店「鮨猪俣」の店主も居た。週の半分以上、「初音鮨」を手伝っているそうです)
パフォーマンスが多く写真撮りと食べるのが忙しい前半戦
席に座ったら、いつの間にかコースがスタートしていた。
店主の挨拶があると思ったけど、登場はまだのようだ。
白身魚のスープで胃袋を温め、戦闘準備に入る。
乾杯の生ビールを頂く。
かなりの距離を歩いたので、喉がカラカラだった。
飲み物の金額は分からないけど、生ビールが一杯2,000円とかしない事を祈る(笑)
5キロ弱の佐島の地蛸(たこ)。
茶蒸しにしていて、身が柔らかく香りが強い。
蛸特有の食感と食べ応え、そして甘みが最高に出ている。
ここで店主が登場した。
軽い挨拶から、箱を1人ずつの席に置いてくれた。
「皆で一斉に開けたいと思いますので、まだ開けないでくださいね〜」
なるほど、チームプレイ的な感じのプレゼンテーションで初音鮨劇場が進行されていくんだな。
蛤(ハマグリ)、ホッキ貝炙り、ホタルイカ炭火焼、渡り蟹。
素晴らしい4品は、日本酒がガンガン進んでしまう系だよね。
どれも丁寧に調理され、
蛤は優しい味付けをし、ホッキ貝炙りは七味で辛味のアクセントを付け、ホタルイカは香りが強く、渡り蟹は日本酒と相性がヤバい。
食べていると、カウンターに見たこともないようなサイズの釜。
炊きたてのシャリを店主が合わせるところもカウンターパフォーマンスであります!
SNSで見ていたので分かってはいたけれど、かなり迫力がある。
時間を逆算して炊き上がり時間も調整し、焦げがついた部分を剥がし、シャリ切りをしています。
(菊鮨(福岡県・大野城)以来のカウンターパフォーマンスです)
切りたてのシャリを手に乗せてくれ一口。
酢がまだ馴染んでいない状態のシャリは、香りだけがお酢で味は白飯だったな。
「徐々に味が強くなっていくので、楽しんでください!」と。
そして、先ほどのお焦げが出て来た。
これ必要か?食べたら固くて歯が悪い人は食べられないだろうな(笑)
この日の本鮪。
腹上一番という、鮪の中でも大トロが多い部分を買っているので極上品。ここまで綺麗なサシが入った本鮪は見たことがない。
和歌山県那智勝浦の最高級品。
肉と間違えてもおかしくない。
撮影ポイントが多くて忙しい(笑)
ノリの良い店主は決めポーズを作ってくれるので、シャッターの嵐だ。
あれだけ脂が乗っていたら、柵にするのも大変そうだけど、流石職人ですよね。
包丁の切れ味が良いのであっという間にこの状態になった。
柵にした鮪を一度湯引きして漬けにしていった。
素人の意見だと、そのまま食べた方が美味しんじゃないの?と思った。
全ては漬けにしてなく、赤身、中とろ、大とろを一切れずつ刺身で出してくれた。
赤身を食べると、中とろみたいな脂があるし、中とろ食べると大とろと間違ってもおかしくなく、大とろ食べたら口内から一瞬で消え去った。
旨味が物凄く強く、酸味もあるけど上質でねっとりした本鮪。こんな旨い本鮪を食べていいのだろうか(笑)
ここで日本酒を頂く。
メニューがなかったので、全てお任せで注文。
握りがバンバン出てくる中盤戦
握りの準備が進められていく。
写真を撮りまくって一息入れていたけど、常に撮影ポイントがあって忙しない!
鹿児島県産の3キロ弱のアオリイカ。
シャリとアオリイカの間には自家製のカラスミがサンドされている。
カラスミの塩気が最高だな!
イカの食感が柔らかいのは、ネタを乗せている皿を65度にしているので熱が入って柔らかく、旨味が出るそうです。
小肌も熱を入れるのか?
一見普通の小肌のようだけど、温かい小肌のイメージが分からない。
「口に入れてから、5秒噛まずに舌の上で閉じ込めて下さい」
この5秒がポイントなのか、香りがすごい引き立ち、小肌が口内から消えて去った。
今まで食べた事のない感じだったけど、初音さんの小肌好きだな。
淡路島のマナガツオ。
燻製されいるような香りでハムみたいな甘みがある。
目を瞑って食べたら、何が何だか分からないという感じになりそうだ(笑)
これ、鯖?
いや、鯵らしい。
ここまで燻製みたいにされた鯵は大丈夫なのか?
聞いたら、3週間もドライエイジングされた物らしい。いわゆる、熟成鮨っやつ。
ここまで来ると、味の変化が分からなく好みが別れそうだな。
熟成鮨ブームではあるけど、経験値が低いので語れないし比べられない。
熟成鮨のパイオニアのお店も使っている、カジキマグロ。
1ヶ月近く熟成しているそうだけど、どうやってやるんだろう?
空気に触れずに、真空にするらしいけどそれだけでここまで日持ちして旨味が出てくるのか?
途中で味見しながら状態確かめないと無理だと思うけど、どこでそう判断しているのか気になる。
この白身も、深海魚の王様ノドグロ様ですよ。
そのまま食べた方が美味しいんじゃね?と途中から思って来たけど、ここでしか食べられない唯一無二の技術と味。
熟成鮨を食べ慣れている方なら、食べただけで何の魚か分かるのかな?
おっ、熟成鮨連チャンが終わって、丸々ふっくらした牡蠣が出て来た。
牡蠣エキスたっぷりの汁。
味付けは一切してなく、純粋に牡蠣の旨味のみ!
スゲー濃厚で旨い!!その一言に限る。
そして、握りも!
牡蠣とシャリの間にふきのとう味噌が入っている。味の変化球というか、牡蠣が直球で来るわけでなく、口内でふきのとう味噌も入ると、余計に牡蠣の美味しさが分かる。
日本酒をお代わり。
飲みやすいラインナップが多いな。
雲丹。
雲丹といっても、ここまで粒がハッキリデカイ雲丹は見たことがない。
猪俣さんが青森県から直送してもらっている雲丹。
市場にはなかなか出回らないらしく、かなり貴重な雲丹らしい。
あっ、牡蠣の握りから猪俣さんにバトンタッチしています。
雲丹は、甘いとか溶けるとかいうより、味が濃い!
粒がハッキリしているのもそうだけど、ここまで香りと旨味が強い雲丹は初めてだ。何もかもが規格外!!
漬け本鮪が完成した〜終盤戦〜
ここで一息。
トラフグの茶碗蒸し。
出汁の味はほとんどなく、トラフグを純粋に楽しめる茶碗蒸し。
これまた規格外(笑)
これだけ立派なトラフグの白子が良く手に入るよね。お金を出せば手に入るとかでなく、間違いなく信頼関係だろう。
店主の人柄の良さが色々な方に愛されているんだと思う。
1時間強、漬けにして完成した。
赤身はサッパリした感じで、シャリと良く合う。
中とろ漬けは脂身が爽やかになって、赤身に近くなっている。
しかし、赤身より強い旨味があって美味しい。
そして、大とろ!?と行きたいところだけど、、、
これなんだか分かりますか?
店主が外で漬けにした大とろを炭で焼いているんです!ライブ中継的な感じで店内からこのように見る事が出来る。
(近隣から苦情が来ないか心配だな)
田舎に行ってバーベキューでもしたのか?
これが、完成した大とろ。
うわー、めちゃくちゃ美味そうじゃん!
さっきより肉っぽいよね?
香ばしさが加わって、食べたら肉と間違えても可笑しくないよ。
言葉なんていらない。
黙って食べて欲しい。いや、これは極上のプレミアムシートをゲットした私のご褒美だ。
明日から頑張って仕事しないとダメだ!と誓った瞬間だった。
毛蟹リゾット。
笑顔が素敵な職人さんが前半に持って見せてくれた毛蟹が完成したのだ。
根室の立派な毛蟹は、茹で上がったら店の方皆で身を取り出し作業に入る(笑)
面白い光景が見られるので、行く方は覚えておきましょう。
全ての部位が集結した。
もしかして、全て一緒に楽しめるのか!?
鮪全部入りの手巻きが完成した。
手巻きで食べると、面白い事に口内で、赤身を食べる!大とろの香ばしさが感じる!など分かるんだよね。
最近多いのが、鮪をたっぷり入れた太巻きにして、その上にイクラや雲丹をテンコ盛りにした巻物。
確かに美味しくないわけがありませんが、あれは口内で味がゴチャゴチャになるよ。インスタ映えとかもあるけど、純粋に鮪だけなら旨い。
鮪だけでも、個人的には美味しさが分かるギリギリのラインだけどね。
最後に、干瓢巻きと玉子焼きが出て来て料理は終了。
別室にてデザートタイム
これは紹介していいのか?
食事が終わったと思ったら、別室に移動してデザートタイムだ。
ブルーを基調とし、海をテーマに作った部屋らしい。
さぁ〜何が出てくるのか。
猪俣さんが何かを茹で、店主が細かく切っている。
正体は、葛切りだ。
葛切りが寿司屋のデザートで出てくるんだね。
たっぷり黒蜜に付けて食べる。
葛切り経験値も低いから表現は出来ないけど、ツルツルして真夏の暑い日に食べたいな。
黒蜜も甘過ぎず、丁度良い糖分だ。
葛切りを作り終えた店主がコーヒーを作り出した。
コーヒー豆を機械で砕く所からスタートし、少量ずつお湯を注ぎ、ポタ、ポタ心地よい音が店内に響き渡る。
お店の事、店主のこだわり、女将さんの体調など静かに店主が話す姿が素晴らしく感動した。
所々でギャグを入れてくるし、初音鮨と検索すると予測キーワードに『ぼったくり』とありますから注意して下さいなど(笑)
確かに検索に出て来たけど、ぼったくりではないでしょ。
48,600円と価格は高いけれど、仕入れも最高級、職人やスタッフもサービス満点の素晴らしいライブ感がありました。
1年に1回来れるか来れないかだとは思うけど、またタイミングが合えば行こうかな。
気軽に行けるような感じではないから当分は無理だけど。
最後はスタッフ皆さんと挨拶とハイタッチして終了。
もう少し、寿司屋の経験値を上げてから行った方が楽しめたかな?
ご馳走様でした。
食べ終えて
飲み物会計、2人で10,800円。
1人5,400円なので、食事を足すと54,000円だった。人生史上最高値を更新したぜ(笑)
味やボリューム、接客や雰囲気は何一つ文句なく、むしろ最高だったけど一つ言いたいのは、テンポが早く本当に忙しなかった。
もっとゆっくり食事とお酒を楽しみたかったけど、1日3回転もしているとそうもいかないんだろうな。それだけが残念かな。
食事としてくる人は良いけど、飲んで楽しみたかった私としての意見ね。
是非皆さんも特別な日に行ってみて下さい。